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 うあ……。
 序盤からこれほど「壊れている」臭を漂わせているとは……。

 事故に遭い、家族みんなが死んだ中でひとりだけ生き残った主人公 直之。
 周囲は事故から奇跡的に生還した彼との距離をつかみかね、彼自身は失ったものの大きさに慣れない日々を。
 なにより死んだはずの家族の姿が「彼だけには」これまでと同じように見えてしまうということが、現実と妄想の境界をあやふやにしているという……。


 現実と夢想の境界については胡蝶の夢のそれと同じようになぞっていくので新鮮味がある仕掛けではないのですけれど、そのたたみかけ方が精神の崩壊の勢いを表しているかのようで恐怖を感じたり。


 PSYCHEってギリシャ語の「蝶」とか「魂」の意味ですけれど、そこに加えてギリシャ神話のプシュケを思い浮かべますねぇ。
 愛を求め、愛を疑う、エロスの恋人。

 神話のプシュケは女性なので藍子をイメージしてしまうのですけれど、誰からも求婚されなくなって悲しみ、ようやく得た夫とは闇夜の中でしか会えないことを寂しく思う境遇を思うと、むしろ直之なのかなーって。



 結局、どちらが現実であるかってことは問題ではなくて、そのどこにも救いが無いどころか自らその手を断ち切ったという事実が重要なのかも。
 倖せがなにかわからない……という曖昧さではなく、そもそもその倖せを望んでいないという。

 辿り着く先が「拒絶」であるというのは、観念方向で文学的だなーって。
 エンターテインメントではないのですけれど、これはこれで感じるところはあるような。
 「息苦しい」とか「閉塞感」とか、そういう言葉は「生きる」ことを望む人が使うべき言葉だと思うのですよね。
 しかし直之からはそれを感じられない。

 とはいえそんな直之が特別な存在だとも思えなくて、実際に「生きる」ことを感じ考えながら日々を送っている人はそう多くないのではないかなー。
 だからこそ、今作はわたしたちのすぐ近くにある物語であって、かつ、この壊れていく様はできるだけ遠ざけておきたい存在なのかも。

 そういう意味で、極めて危ない作品ではありました。
 緩慢な死を願うっちうか。
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