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 あ……あああ、そうなんですか、この表紙は!!!!
 でもってオビの――
9年前のあの日、“神様”の前で誓った友情は、今――。

 ――というアオリも、ええええっ、な、なるほどーっ!!!!


 お伽話のような伝承が残る街で、同じ日に生まれ共に育った5人のオトコノコとオンナノコ。
 永遠に続くかと思った関係は、しかし大人になることと引き替えに壊れていって。
 移ろい、変わりゆく5人の関係。
 報われない片想いが交錯するペンタゴンが見つめた、小さな恋と優しい奇蹟のお話。


 想いの方向が綺麗に一方方向で、その想いが実ることはないのだろうなぁ……とハッキリわかってしまうだけに切ないわー。
 「5人でいる」という関係が居心地良くて、それを無くしてでも通したい想いだというのに、5人の関係が明確なだけにその結果まで見えてしまうという。

 これが普通の「友達」関係なら可能性もあったと思えるのですよ。
 でも彼ら彼女らは違うってトコロをそこまでに物語で構築しているので、その思いが許されないこともわかってしまうのですよね……。

 片想いをつづる物語は少なくないですけれど、その問題を解きにかかるまえに人間関係をきちんと定義している作品ってそう多くはないと思うのです。
 想いが成就するかどうかは物語の鍵ではなく、その先をどう生きるのかに焦点があるっちうか。
 その時間へ踏み込んだことが、今作を素晴らしいものにしているのではないかなー……と思います。


 だからこそわたしは、事件が全て片づいたあと、終幕へむかって静かに紡がれていく流れが大好きなのです。
 そこではもう全てが終わってしまっていて、主人公たちは行動することもなくなるのですけれど。
 奇蹟はそれ以前に尽くされて、泣いても叫んでも、現実は変えられない。
 フィクションであるから、もしかしたら変えられる「未来」はあったのかもしれないけれど、この瞬間においてそれはあり得ないだろうな……って感じられるのですよね。
 5人の関係を物語が動き出すまでにきちっと定義づけていたように、奇蹟というものもそこで打ち止めだと定義づけているとわかるのです。

 こうしたディファインぶりっちうか、物語導入以前の構築ぶりってところですでに勝負あったカンジです。
 物語の形式にはいろいろあるとは思いますけれど、物語が進むにつれて設定の中身が披露し効力が発揮されていく形式にくらべると、今作は物語導入時点で設定の中身や効力が発揮され披露されているのですよね。
 それに気付いたときはすでに手遅れであるという……。
 そのどうにもならない無力感が、また終盤で重くのしかかる次第……。



 がしかし。
 そうした重さを背負う反面、エピローグでの幕の引き方が鮮やかで。
 嫌味でも、誤魔化しでもなく、かつての事件を人生として受け入れている姿がとても爽やかで好感なのですよー。
 辛くないワケじゃないんです、きっと。
 でも、その傷に負けたりしていないのですよね。
 強い、成長した彼らがそこにいるのです。


 決して楽しいお話ではないのですが、だからといって悲しさだけが残るお話でもありません。
 人生における大切なことを描いている、そんな作品です。
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