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 居場所を探すように校舎の屋上に集った4人の高校生が、そこでの安穏とした時間を守るために屋上に持ち込まれる事件の数々を解決していくお話。

 もっとも事件が持ち込まれて「屋上が脅かされている」と感じることについては、彼らの一方的な思い込みに過ぎないのですけれど。
 んでも、思い込みであっても各人が気になっている、あるいは関わりを持ってしまっている事件でもあるので、それについて解決に動こうとするのは友情からの思いやりである……と言えなくもないのかな?


 また舞台背景として、その世界の超大国の大統領がテロリストに拉致されて軍事基地のひとつも掌握されてしまっているというものがあるのですが。
 で、大統領(と基地に勤める人たち)を人質に、テロリストは世界を脅迫しているという。

 こちらについては社会秩序が壊れていくためのソースとして用いられていただけで、「屋上」の物語にいては大きな関係があったようには思えませんでした。
 タイトルで言うなら、「屋上」と「ミサイル」がうまく混ざっていないっちうか。
 昨日までは確かなモノだった社会が緩やかに壊れていき、実は秩序なんてものは思った以上に脆いものだったのだと示せれば良かったワケで。


 そこがうまく繋がっていればなー……と思わずにはいられないのですけれど、もしかするとその両者を関連づけてはウソくささが許容量をオーバーしてしまうのかも。
 緩やかに壊れていく社会のなかで、少しだけ超常めいた日常的な事案に思い悩み解決しようとする高校生のバイタリティこそが作品の妙だと思いますし。

 多少、都合良く作られた感があっても、そこは爽快感とのトレードオフかな~。
 何でも出来ると信じられた、高校生という年齢が持つ可能性っちうか。
 そんな中に、当然、好きだ嫌いだのエピソードがあったり、ロックテイストに尖ってみたり、物わかりの良い大人に逆らってみたり……と詰め込まれていて、賑やかさにかけては天井知らずだったような。


 「屋上」を守るために結成された「屋上部」という設定も、かなりトンチキですけれど、そんな「屋上部」の弱点は「雨」であるというような設定が用意されていては適当すぎると断じるワケにもいかないですよね~。
 そうした小ネタ?であろうと、作中ではきちんと消化されているため、作り込みに甘さを感じるほどではなかったですし。

 思いつきの設定だけではない、物語との連動性とでも言いましょうか。
 屋上へ持ち込まれた数々の事件が集約していく流れは、なかなかに面白かったと思います。
 「このミステリーがすごい!」大賞選評では半数の選者に「偶然に頼りすぎて現実的な説得力に欠ける」と言われてましたけど(笑)。
 そーかなも、と思う反面、そーかなーとも思ったり。
 そんな偶然が起こるから、彼らは物語の主人公なんではないの?って。
 それを指摘するなら偶然の発生率より、物語の箱庭的狭小性を指摘すべきとか思うわー。



 あ、その選評なんですけれど。
 ダメだししている評者がとにかく「伊坂幸太郎」リスペクトしていて萎えた感が。
 「○○に似ているからダメ」だと論じるのは適当ではないと思うのですよね。
 そういう指摘が許されるなら、作品とは先行者が絶対なのかと。
 似ている、類似している、想起させる。
 その中で技術的や技巧的に劣っているのか優れているのかを評してくれないと。

 「伊坂幸太郎をまんま真似たような設定や科白まわしが鼻につく」

 評者がどれだけの読書量を経てきているのかわかりませんが、選評を読む人の中には「伊坂幸太郎」を知らない人もいるでしょうし、こうした評の表し方は「まず伊坂幸太郎くらいをマストで知っておいてから」という条件を突きつけているような気がして鼻持ちならないです。

 べつに特定個人の名前を出さなくても、単に「既読感があって新鮮味がない。流行りの文体」とかでよろしいんじゃありませんこと?ってことでー。
 個人の感想ならまだしも、公正さが求められる賞の選評などで言って良いのか、わたしは疑います。
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