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 江戸が東京とあらためられて20年。
 もはや江戸城下であったころの時代など知らぬ若者が、文明開化の時流にふりまわされながら健気に帝都で生き抜いていくお話。

 んー……主要キャラクターの描写とか、連作短編のなかの個々のお話の作り方などは興味深かったのですけれど、大きなまとまりとして作品と見た場合「なにを語りたかったのか」不明な物語でした。

 旗本の跡取りとして生まれながら維新によって身分を失い、明治の世では巡査として生きている長瀬。
 同じく元士族でありながら両親を亡くしてからは居留地の宣教師に預けられ、いまや西洋菓子職人として生きていこうとしている真次郎。
 物語はこのふたりを中心にして転がっていき、あれやこれやと帝都で起こる大小の事件を知恵と勇気と腕っ節で解決していくのですが。
 最後にオチをさらっていくのが、ふたりの幼馴染みでもある成金商家のご令嬢、沙羅さんなんですよねー。
 どうしてそこにオチつくのか、納得いかないっちうか……。


 真次郎のことを意識しつつ打ち明けられない沙羅さんの向こう意気の強い性格は面白くも可愛らしいですし、そんな彼女の気持ちに気付かない真次郎や、ふたりの関係に呆れながらも見守っている世話焼きな長瀬もとても良いキャラクターです。
 激動の時代において、互いを頼り助け合う気概を持った、気心の知れた仲という雰囲気が良く伝わってきました。
 んでも、物語の軸となれば話は違うでしょー、と。


 事件解決にはもっぱら長瀬と真次郎が大活躍していたことに比べて、沙羅さんはまさに“お姫様”的な位置に収まっていたハズ。
 なのに最後の最後ではそんな“お姫様”の悩みを解決できたことが目的になっていたなんて、意外というより驚きですよ。
 彼女がそんな悩みを抱いていたなんて、どこかで示されていたかなぁ……。

 鈍感な真次郎との関係を悩んでいたことと同軸にとらえられるのかもしれませけれど、わたしが見ればそれは違うと思うー。
 彼女は恋に悩んでいたのとはまた別に、家のことや仕事のことなど「女の生き方」について悩んでいたワケで。


 最後の小編の引き金は、シリーズ当初から盛り込まれていた仕掛けなのですから、このオチつけかたは構想時からあったものだと考えるのが妥当です。
 1冊の本にまとめるからって、最後になっていきなり思いついたアイディアでは無いと思うのです。
 そこまで計画性をもって作られていながら、驚愕というほかないオチであるのは……うーん。
 わたしとは見ているトコロが違うんだなぁ……と思わざるを得ません。


 萌えオタクなわたしですから、キャラクターに好感を持てば前向きに受け止めることができます。
 でも、個々のお話の展開はスリリングで目を引きましたし、キャラクターたちにも好感を持てたからこそこのオチであるというのは、余計に残念であるという気持ちがこみ上げてきてしまうのです……。


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