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 今シリーズが素晴らしいところは、事態打開に対して主人公が自らの力で出来ることを探して見つけて動き出すところだと思うのです。
 そこに主人公補正による能力値修正やラック発動なんてなくて、いつもギッリギリのところで切り抜けていく。
 その緊迫感がエンターテインメントではないかと。


 今回も冒頭から災厄に見舞われた学が、その状況から身ひとつでどうやって状況を好転させていくかを描いているワケですがー。
 この災厄っていうか主人公である学の落とし方がわりとハンパ無いなーと。
 裏側でなにか起こっているのかな……と思ったのですが、いやいやいや、ただただその通りに学を落とすためだけに描くとは驚きました。

 もちろん事件の背景には物語上の「オトナの事情」があるのですけれども(当然!)、そのことは学の「主人公としてのアドバンテージ」を消失させたことに尽きると思うのです。
 そんな優位性を失いながらも、学は真実を知るため、より良き明日のために走り出すのです。
 素晴らしい!(≧▽≦)

 用意された脚本で主人公の座を与えられ、その立場に安穏としている主人公を描く物語が少なくない昨今、学は行動で自分が物語の主人公だと示しています。
 そんな描き方をする夏海センセの今作での手法はひっじょーに好感です。


 この世界は理想家の必死の努力でつなぎとめられていた約束の上に成り立っていたものだと、読み手のわたしたちも感じていたトコロだと思います。
 そんな約束、儚くて脆いものだと理解していたくせに、その実、約束が壊されることが無いとも思っていた。
 なぜなら、これは優しいフィクションだから。
 ところが夏海センセはその理想を裏切って(?)、儚くて脆い、そして醜くて邪な現実をつきつけてきたワケで。

 優しいことだけ描いているのは、ある意味、とても楽なことだと思うのです。
 そこにストレスは存在しないから。
 でもそんな甘さと手を切った夏海センセを、わたしは賞賛します。
 クリエイターとして描くべきコト、描かなければいけないコトを理解していて、なおかつそれを選んだことに。


 なんちうか今作は、守られていたひな鳥が巣離れをする瞬間を描いたものだと思うのです。
 特異な設定や状況で主人公を「選ばれた存在」として描く物語に対して、ではその設定や状況を取り除いたとき、彼が彼女がなにをして主人公であると証明することができるのか。
 考えさせられる展開でした。


 主人公として学のことを持ち上げてきましたけれど、もちろん彼が常に正しい選択をし続けているわけではありません。
 間違いを犯さない人間なんていません。
 学は学で、その年相応の甘さや弱さをわたしたちに見せています。
 でも彼はその甘さに気付き、傷つき、未熟な自分を恥じています。
 それだけでももう十分に立派だわ~。


 まぁね、まぁね。
 そうまでして必至に主人公たらんとする学ですから、反対に葉桜のことを放っておいてしまうのも仕方の無いトコロかな~と思うのですよ。
 学が彼女のことを気に掛けるのはあくまで「主人公」としてですから、「異性」として責任負えてないのですよね。
 よろしいんじゃないんでしょうか、そんな使命感に燃えているオトコノコっていうのも。
 当然、それを不満に思ってしまうオンナノコもね!

 あれです、「わたしと仕事、どっちが大事なの!?」ってやつですか。
 ひゃー、もー!!!(≧▽≦)

 でも学にとっては「使命」も「葉桜」も同格同位置なハズなんですよね。
 どちらかを選ぶという考えすら思いつかないくらいに。
 個々に認識していなくて、もっと大きなくくりでとらえているために。
 んでも葉桜にとっては、もっと自分のことを「特別」に見て欲しいワケで。
 可愛いなぁ~(^-^)。



 葉桜の監察に現れた憲兵の稻雀さんも嫌いじゃないキャラに仕上がってる~。
 オトナのロジックで幼い学や葉桜を追い込む彼女も、しかし彼女は彼女なりにオトナの事情で苦しんでいるワケで。
 しかし学とは違って稻雀さんはそのことに対しては折り合いを付けてみせるあたりが、いやはやオトナだな~と思わせられるのデス。

 この手の折り合いの付け方、茉莉花さんも見せてきますよね。
 ホント、オトナとコドモの対比がハッキリしているわ~。



 あ、アポストリの能力?はべつに主人公補正ではないと思いますヨ?
 その能力が優位性を示せるのは、当人の機転を含めての行動あってこそですし。
 ただのガチンコ勝負になったとき、さして優位にならないという失敗談(笑)はこれまでにも何度も描かれてますし~。
 どれだけハイスペックであっても、そこに弱点や欠点が存在している限り絶対は無いと描いてきているのです。
 そーゆーところも好感なのですよーん。



 きな臭さが漂い初め、もう戻ることが出来ないかのように思えてしまった今回のラスト。
 しかーし、学のひとことで希望どころか一気に大逆転の目が見えてきましたよ!
 どうやってこの劣勢を逆転するのか想像できませんけれど、とりあえず期待だけは抱くことができるという不思議!(笑)
 学、すげー!(≧▽≦)
 これが水無瀬さんが恐れるところの学のカリスマなのかしらん。


 さあ、女王様が帰還なされて反転攻勢ですよ!
 「季節」がひとめぐりしましたし、クライマックスなのかな~。
 タイトルを思うとあと2巻ってトコロがキリ良かったりするのかな~……思うのですけれど、まだまだ楽しんでいたい作品です。


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