本やアニメの感想と、日々のつれづれなることを~。
プロフィール

鈴森はる香

Author:鈴森はる香
独断やら偏見やら、感想と妄想が入り交じるサイトです。
Twitter

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
リンク
カテゴリー
月別アーカイブ
ブログ内検索

RSSフィード
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 最新鋭の警備システムが備わった国際空港。
 海の上に建設された空港はその警備システムと地理的要因が合わさって、まさに海の要塞。
 そこへ送りつけられてきたテロ予告に敢然と立ち向かっていく人たちの物語。


 うん、これは凄かったデス。
 相手の予測の上を互いに行こうとする、空港関係者のテロリストの読み合いが緊迫感あって面白かった~。
 どちらか一方が優位に立って、それを追いかけ続けるような後手後手対応ではなくて、常に同時進行で互いに相手の手を読み続けているというあたりが。

 テロ事件を扱った作品ではテロリストの奇襲?に翻弄される様が描かれることが少なくないと思うのですが、今作では序盤から五分の勝負を見せてくれるので盛り上がるのですよ。

 しかし、じゃあ「警備システムが互角の勝負に持ち込まれて、それでよく最新最強だなんて言えるな」という点がもちろんあると思うのですけれど。
 この点は「機械は間違いを起こさず、間違いを犯すのは常に人間である」というシニカルな命題でもって応えています。
 意図したことにせよ意図していなかったにせよ、人間は簡単にルールを自己改変して運用してしまうことから、最新システムも生かし切れていないという。

 ただし中盤までの流れでは警備に携わる人の多くがこの最新警備システム「ROMES」とそれを運用する人間のことを信頼していなかったのですよね。
 その不信感が基本となるべきルールを改変して、自己の優位性を証明しようとする焦燥に繋がっていたワケで。
 運用する人間までを含めて、はじめてシステムとして完成させられる……という点は、まったくもって考えさせられるトコロです。


 展開が進むにつれて明らかになっていくテロリスト側の素顔にも驚きが。
 ふざけたコードネームで呼び合っていた彼らのことが少しずつ判明していく流れは、誰がテロリストであるのかを推理するという点において提示される情報量の扱いの部分で見事でした。
 もちろん最終的に明らかにされた人間関係の複雑さも、物語を作成する上で綿密に準備されていたであろうことを十分に感じさせられましたし、またその設定を物語上で描ききったこともさらに感動。


 でもってテロリストの正体とその真なる目的がつかめてからの対決がまたスゴイ。
 クライマックスに向かってぐんぐんと物語が加速していったわ!
 まさにエンターテインメントの真髄ってカンジだわ、この勢いは。

 そして読み勝ったテロリストが勝利の凱歌をあげようとしたその瞬間、予想を超えた一発大逆転のカードをきる警備サイド!
 解決の手段については荒唐無稽として判断する向きもあるかもしれませんけれど、あれほどの仕掛けを用意しておくその大胆さをわたしは痛快に思いました。
 そこは「有り」でもいいと思いますよ、わたしは。

 あらためて序盤を読み直してみたら、その手段について書かれていたくだりに気付いてニヤニヤ。
 伏線というにはあまりに意味を乗せていない部分なのですが、それがそこに存在しているとうことを明示していることは、まさに推理ミステリの手法をリスペクトしていることにほかならないと思うのです。

 自身のアイディアを描くことばかりに注視しているのではなく、普遍的で守られるべき物語構造へ敬意をもって描かれていると感じられる作品は、とてもステキなモノだと思います。



 五條センセって防衛庁出身の女流作家であられたのですか!
 しかも調査専門職として勤務していたとか、興味深い経歴ですなぁ~。
 これは他の作品にも関心が湧いてきました。
 これから読み進めていきたい作家センセになりました。


スポンサーサイト
<< 『あいたま03』と『純真ミラクル100%』購入~。 // HOME // ニワカでも楽しめた ave;newプロジェクト「帰ってきた!魂の決起集会 in 秋葉原」 >>

管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://maturiya.blog107.fc2.com/tb.php/867-5cba9a4c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
// HOME //
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。