独立交易都市へ戻ってきたセシリーとルークが、自分たちに課せられた使命を知って新しい覚悟にめざめるお話。
大きな流れにのみ込まれる前の静けさっちうか。
そこへ至る前に、ひとつ、態勢を整えておこうってカンジ?
それだけに盛り上がり方も微妙のような……。
面白くなくはなかったですし、ようやくキャンベル家に求められる役割という秘密も明らかにされましたし、物語として大切なお話であったことはわかっているのですけれどもー。
だからといって、説明されて、ハイそうですか……って流れは優等生過ぎると思ってしまうのですよー。
これから臨む過酷な場に向けて準備をするに、安全な場所で落ち着いて、そのことだけに目的を絞って語り紡ぐというのも、まぁ、ひとつの……っちうか十分に真っ当な手段ではあると思うのですがー。
そのあまりに構えすぎた周到さが気になるのかもです。
セシリーとルークの関係についても「聖剣」の件に付随してしまうものでしたしー。
ふたりの関係についてはもう前巻でひとつの位置に収まっていると思うのです。
今巻はそれを補強したもの……なのかもしれませんけれど、やはりメインは「聖剣の鞘」についてだと思いますし。
それは今巻ではふたりの距離も間柄にも変化が無かったことが証明するのではないかと。
「え、嘘……今さら……あり得ない……」 リサに言われるまでもなく、ふたりはもうそういう関係であったワケで。
はい、今さら今さら(笑)。
その点ではアリアとユーインの関係のほうが興味深かったです。
こちらの関係はちゃんと?変化しているので。
でもなー……。
ユーインはただ魔剣を憎むことをやめただけで、アリア個人のことをどうこう思っているワケではないところがなー。
……素直に応援できないかなー。
あの最後の台詞は、ちょっと、なぁ……。
ちうかこの作品の男子って、壊滅的にデリカシーに欠ける男子ばかりですよね!
は? 団長や市長?
あの人たちは“男子”じゃないですもん!(><)
仮初めの安定が解かれて、誰が敵か誰が味方か陣営が固まったところで、次巻からいよいよ動き出しますでしょうか。
安全なところでただ言葉を交わしているだけなのは三浦センセの作品らしくないと思ってしまったのです(笑)。
行動で想いを示してこそ!……と考えてしまうのは、センセに対して固定観念持ちすぎでしょうか。

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