本やアニメの感想と、日々のつれづれなることを~。
プロフィール

鈴森はる香

Author:鈴森はる香
独断やら偏見やら、感想と妄想が入り交じるサイトです。
Twitter

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
リンク
カテゴリー
月別アーカイブ
ブログ内検索

RSSフィード
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 うわぁ……。
 迫るような筆致って、この作品みたいなことを言うのかも……。
 改行が少なくて可読性が良いとは言い難いので、読み始めは内容を追うことに戸惑いをおぼえたのですがー。
 しかし読み進めていって、なーにか不思議な気がするなー……と覚えたら、そこからはもう一気に世界に引きずり込まれてしまったという。
 もう、秘密や謎、そして事実の提示のタイミングやらその分量やらが絶妙としか!


 愛娘を殺されたとする女性教師の「告白」から始まる物語。
 短編連作でそれぞれの章での語り手は異なって、また事件としても個々に独立はしているのですが、しかしその動機となる部分、始まりの部分では先んじた事件を引きずっているワケで。

 犯罪であろうとなんであろうと、人が起こす行為には必ず発端となるモノがあるという次第。
 その巡り巡る様を描くことに、ホント、湊センセは長けている……っちうか、主題にしているような。


 変化とは必ずしも良いことを示すわけでなく、壊れていくこともまた変化なのだと。
 そしていちど壊れた歯車は、次の行為に対してもまた誤ったシグナルを発信し続けていく負の連鎖。
 物語は最後にその連鎖がもとの、本当に最初の場所へ還っていくのですけれど、現実のことを考えるとそれで終わりではないですしねぇ……。
 コミュニケーションの側面を悲劇の部分からアプローチしているわ、ホント。


 辛辣で、悲しみに満ちた世界。
 誰かが少しでも優しさを見せていたら変わった結末になったかもしれないのに。
 でも、もしそれが本当に必要なことであるなら、世界は優しさの犠牲の上に成り立っているわけで。
 馬鹿な強者が賢い弱者を食い物にしていく世界。
 そんな世界が本当に正しいと言えるのか、湊センセの作品からは考えます。


 わたしの結論からすると、優しさとか正しさとかは世界の成り立ちには関係無いってことだと。
 もちろん、それこそが悲劇の根幹にあるとは思うのですが。



 湊センセの作品は2作読んでみてそのスゴサも感じました。
 次は連作短編のような形式ではない長編を読んでみたい気がします。
 構造に依らないでも惹き付ける力量があると思うのです。


スポンサーサイト
<< 『書店員の恋』 梅田みか 著 // HOME // がんばれ、りっきー!(≧▽≦)……というアニメか(笑) >>

管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://maturiya.blog107.fc2.com/tb.php/821-495fd075
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
// HOME //
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。