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 東京に殺された。
 大切な人を亡くしたことの理由を大都市の混沌に求め、復讐にはしる物語。
 そこに生きとし生けるもの者を混乱におとし、残されたたったひとつの願いをかなえようとする、奪い返そうとする。
 そして願いは叶えられ、犯人はかりそめの勝利者となるお話。


 東京の生命線はきわめて脆弱なものであり、都市機能を人為的に、それもわずかな人数でも麻痺させることはできるという。
 もちろんイザというときのバックアップは幾重にも張り巡らされているのだけれど、その上をいく犯人。
 んー……どうなのかなー、このあたり。
 東京に構造的な欠陥があるのはわかるのですけれど、犯人に追求の手をスルリとかわされていく関係者の様に、なんというか滑稽さをおぼえてしまったり……。
 酷い言い方をしてしまうと、都市の生命線を握っている関係者ってそこまで「無能」なの?と疑問視してしまうわ。

 このあたりは、まあ、物語的要請なのかもしれないとは思いますけれど、それにしたって後手後手に回る関係者は報われないなぁ……。
 事件解決にしたって関係者が攻勢に転じたから好転したわけではなく、ひとつには解決に至る道筋が「偶然」関係者に転がり込んできたからですし、さらには結局のところ犯人の「野望」を最後まで止めることができなかったからですし。
 ゴールしたあとの犯人に追いついただけ……という。


 犯人の前に無力であったというシニカルさは好きですけれど、そこへ至るまでの過程に高揚感はなかったかなー。
 むしろ「東京大停電」という危機から派生した個々の事件におのおのが窮していただけという印象が。
 それも事件の中身はわりと淡々としているというか……。


 もちろん、そうして派生した事件には物語解決(事件解決ではなく!)の関連性で結ばれていたといった仕掛けは好感できましたけれど、それはむしろダイナミズムより矮小性を感じてしまったり。
 東京という大都市が未曾有の危機に陥った状況だというのに、「1冊」という本の中で描かれる小事件が繋がるだけで全体像が見えるというところに違和感をおぼえたのですよー。
 その関連づけ方に作者の意図を感じてしまう……っちうか。



 唯一、職業人として犯人に負けなかったのは片山看護師だけだったような。
 どんな危機にあっても乗り越えてやるという意志を強く持ち、通常の手法では袋小路に陥るところを「非常識」「非日常」の機転で立ち向かっていくのがプロフェッショナルでしょう?

 電力会社など関係各所に精力的に取材されたそうですけれど、その結果に物語へ活かされたことが「関係者の限界点」であったというのであれば、すごくやるせないお話です……。
 その限界を超えてみせることが、創作の魅力のように思うのです。


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