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 「薄汚ねぇな、どいつもこいつも……」

 とんでもないわー。
 出てくる人、出てくる人、ロクデナシばっか。
 まともに思えたヒロインの七緒ですら、結局のところ壊れていましたし。
 中也とふたり、結ばれはしてもまっとうな倖せが味気ないときた!
 うわぁぁぁぁ……。

 でも、このふたり。
 そういう関係だからこそ、これからもずっと一緒に居られるような気も。
 お互い常にスリルを求め続けるから、そのドキドキが恋心に……って、常に吊り橋効果状態。
 こういう真っ当でないカップルを書かせたら、森橋センセはホント巧い。
 ちうか、森橋センセが描いた真っ当なカップルというのは見たことありませんがー(笑)。


 世界を覆う閉塞感。
 ただ生きるだけなら死んだも同じ。
 生きていればきっと良いことがある……なんておためごかし、誰も信じてない。
 願うことはたったひとつで、そのひとつすら叶わないのだったら生きている意味なんか無い。
 たくさんの「良いこと」があっても、たったひとつの願いが叶わなければ。

 中也と七緒が置かれた状況は、恐いくらいに現実感が襲ってきます。

 でも、しかし。
 そうした底辺に生きていても、願いを持つことはできるという意味にも取れました。
 叶う叶わないは別としても。


 それにしてもイヤなモノをイヤと言い切り、願いが叶わないとなれば「一緒に死んで」と頼む七緒の鮮烈さったら!
 そしてそれを了解する中也の懐の深さっちうか決断力っちうか覚悟っちうか。
 惚れ惚れするわ、このふたり!(≧▽≦)



 でもって、今作は麻雀を下地にした博徒のお話なワケですけれど、思ったより麻雀麻雀していなかったかなー……という印象が。
 あまりクドクドと打ち方を語らなかったからでしょうか?
 たんに「麻雀の知識がある。経験がある」という程度のわたしには程良かったです。


 七緒は小さく微笑み、
「私は七緒だから。七は切りたくなかった。それだけ」
 と言った。
「そんな理由で――」
 北島の言葉を遮るように、七緒は続けた。
「それに、いづれ一発ツモならタンヤオ七対子でも倍満でしょう?」


 表のドラ2枚を切った上で残りされたツモは1回というトコロでリーチ。
 それを一発で引き当てた上に当然のように裏ドラを乗せてくるという……。
 自分の名前の牌を切りたくないという文学的表現と、見事計算をそろえてくるゲーム性とでもいいましょうか。
 いやはや、立派に麻雀でライトノベルしてますよ!!!(≧▽≦)

 ちなみにこれが伏線だと気付いたときには、うあー!って興奮しましたよ!(笑)


 爽やかで、気持ちの良い作品なんてほかの誰かに書かせておけばいいのです。
 森橋センセにはセンセにしか描けない世界が、絶対に、ある。
 それは苦しくなるほど息がつまって行き場のない世界なのかもしれないけれど、痛いほどに本当の気持ちが描かれているのだと。

 そんな森橋センセが大好きです。


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