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 『シンメトリー』みたいなオムニバスかと思って読み進めていたら、第2話相当の「蛍蜘蛛」でゾワワワワッと背中が冷たくなりましたヨ。
 具体的に言えばラスト2行。
 そこでそうつなげてくるかー!?ってカンジ!(><)

 もう、そこからは個々の話での事件を追うだけでなく、物語の全体像を追うことに必死になりました。

 それぞれのお話の視点は語り部によって変わってきますし、また語られる年代も異なっているので全体を把握することが難しいったら。
 ……ん?
 難しくは……ないのかも、もしかして。
 どの語り部も「シズカ」という女性を追い求めながら、しかし結局はあとわずかのところで手の先をすり抜けられているという情景なのですし。
 その、つかまえられそうでつかまえられない不確かさが逆に鮮やかなんですよねー。
 さすがです、誉田センセ。


 今作ってこの「シズカ」という女性をそれぞれの視点がつづった年代記なのかも。
 「シズカ」が自身で語るところは少なくても、彼女を追い求めていった――そしてつかまえられなかった――男たちの目がむしろ詳細に語っているワケで。


 ラスト、今度こそ最大最後のチャンスとばかりに追いつめはしたものの、しかしすれすらも逃れていった「シズカ」という女性。
 偉大すぎる逃亡劇でした。

 全てが終わったあとであらためて見る表紙が印象的。
 そっか……そういう意味があったんだなぁ、って。
 各話のタイトルページといい、良いお仕事をされてます、装幀の松昭教さん。
 作品の内容を理解した上でないと作れませんよね、これは。



 誉田センセの作品って警察小説だとかクライム・サスペンスだとかにジャンル分けはされるかと思うのですけれど。
 んでもどの作品でも根底にあるのは「家族愛」なのではないかなーとか思ったりして。
 だからこそそこに描かれる犯罪が、ただ憎しみで染まるのではなく悲しみの色が混ざってきてやるせなくなるのかも……。

 人が、どこかで間違ってしまうから罪を犯すのだと。
 でも、それをさせるのは世界が狂っているからだと。

 正しく生きるということは、どういうことなのか。
 そしてそれは意味あることなのかを考えさせられるのです。


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