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 今回のお話は童話「人魚姫」をモチーフに、うららの声を奪ったシビレッタが彼女の歌と引き替えにローズパクトを渡すよう迫るお話でした。
 公演のオーディションの予定がすぐに入っているうららにとって、いま歌を奪われることはとても大変なこと。
 なによりその公演は亡き母が演じた演目と同じであり、舞台となるステージも一緒。
 うららにとってはなんとしても母と同じステージに立ちたいのですが……というお話。


 気になったのは、やぱしキモの場面でもあるその取引のシーン。
 取引を持ちかけたシビレッタは、ローズパクトを渡すのか渡さないのかどうするのかを「オマエが決めな!」と交渉相手にうららを単独指名するのです。
 ここにまず意外だという印象を受けたりして。

 こーゆーときってグループの総意を決めるようにするのが普通ではなかったかと思ったモノで。
 なぜにうららひとりだけを指名したのか。
 これを「放送時間の尺の問題」としてしまっては話が終わってしまいます(笑)。
 えーっとですね。
 集団の総意でもって動くのは民主主義の最良の形のひとつだとは思うのですが、それをするには多くの時間と労力が必要となります。
 そして現実論とすれば、全員の考えが前向きな形で一致するというシチュエーションはそうそうあるものではありません。
 総意になるにしても多数が少数を説得するという形が取られることがほとんどではないかと思います。
 そしてなにより現代における状況変化のスピードは昔に比べてますます速くなっています。
 そうした時代において総意を得るために説得をする時間というものは失われてきているのだと。

 だからこそ、イチバン矢面に立つ当事者が決定権と責任を持つのだということをここで教えているのではないでしょうか?


 このシーンに続くのは、歌声を奪われても、みんなと共にローズガーデンへ行くためのローズパクトを渡すわけにはいかないと決心したうららはそう回答するものです。
 しかしここでのぞみが「ここでローズパクトを渡しても、あとで取り返せばいい」と横やりを入れてくるのです。
 そのためシビレッタとの交渉はガタガタになっていきます。
 交渉権が無かった者がしゃしゃり出てきて交渉を台無しにする一例であると言えましょう。

 だいたいにしてこののぞみの「あとで取り返せばいい」という発言にしても根拠がありません。
 それを言うなら奪われたうららの歌声にしても、本当に回復不能なのかこの時点では判断つかないのです。
 交渉を台無しにしたのは、なにものぞみに交渉権が無かったからだけではなく、このように根拠のない憶測でその場限りの言い逃れをしようとしたことにもあるのではないかと思います。


 もちろんのぞみがなぜそのような発言をしたのかといえば、亡き母と同じステージに立ちたいと願ううららの心情を慮ってのことであるのは想像に難くないのですが、しかしそのうららが自分の願いよりもみなの利益を優先させる覚悟を決めているのです。
 であるなら自分勝手にそれを言い出すのは感情の押しつけであり、またそうした友情を大切にしているのだというポーズに酔っていることになりませんでしょうか。
 本当の意味でうららの気持ちを考えていたのか疑問が残ります。

 また、うららは歌声を無くした自分とローズパクトを失うことの双方のリスクを考慮した上で発言しているというのに、のぞみは根拠レスの「あとで取り返せばいい」という考えで交渉の場に立っています。
 失うモノと得るモノ、その条件に対してのぞみには優先順位がつけられておらず、なにごとも失うのは厭だからという子供じみた考えに思えます。
 あれもやだ、これもやだ……では交渉にならないのは当然です。


 次の展開は、結局のぞみの考えが通ってローズパクトを渡すことになってからです。
 このシーン、たとえ渡すことになったとしてもそれをあっさりと行うのは拙速だと。
 うららの歌声が材料にされていただけであるなら優位なのはシビレッタの側ですが、一度ローズパクトを渡すことも可と覚悟したのなら少なくとも取引材料の上では対等になったはずです。
 シビレッタもローズパクトを得られないのであれば、うららの歌声をいつまでも所持していても意味はないのですから。
 しかしのぞみたちはシビレッタの「ローズパクトを渡すのが先だよ!」という声に従ってしまいます。
 ああ、なんという弱腰交渉なのでしょうか!!
 そして案の定、ローズパクトを先に渡してもシビレッタはうららの歌声を返そうとはしなかったのです!

 契約不履行を訴えるのぞみたちに対して「そんな約束したおぼえはないよ!」と言い放つシビレッタ。
 実際その通りで、シビレッタはローズパクトを渡されたからといってどのように歌声を返すのか明言していません。
 のぞみの拙速な交渉によって契約が完全に成されないままに取引がされてしまったのです。

 ここでの教訓はもちろん――
 「取引相手が誠実に契約を履行する相手なのかを見極める」
 「契約は細かなところまで明らかにしておく」
 ――の2点に尽きるでしょう。
 そしてその2点とも、交渉を拙速に行わなければ回避できた事案のはずです。

 これは推測になりますが、あまりにも安易にローズパクトが手に入ってしまったのでシビレッタは欲が生まれたのではないでしょうか。
 歌声を手にしている限り、それはうららと、ひいてはプリキュアの面々に対しての取引材料となります。
 今回、簡単に取引できたことで、要求が更にエスカレーションしてしまったというのは想像に難くありません。

 仮に今回の交渉において拙速を避けて困難な交渉を続けたとします。
 そのときはシビレッタもさらなる要求を思うに至らず、最優先事項である「ローズパクトの奪取」のみに集中したのではないでしょうか。
 なんでもハイハイと相手に言うことを聞いていては交渉になりませんし、相手はつけあがります。
 簡単な相手だと見極めれば、「やらずぶったくり」を考えるのは至極当然な流れです。

 ……まあ、拙速な交渉をしたのも、これもまた「尺の問題」という外部の事由が関わってくる点が小さくないのですが、それを言ってしまっては(笑)。


 以上を踏まえたうえで、今回のお話を「交渉と契約」としてまとめますと、次のように考えられます。

 1:交渉にあたっては、誰に決定権があるのかをハッキリさせておく。
 2:交渉の目的を見失わない。
 3:憶測で判断をしない。交渉で説得力を持つのは事実のみ。
 4:人情や浪花節を大切にするのは美談かもしれないが、交渉ごととは切り離すべき。
 5:契約は内容を明確にした上で履行する。口約束はNG。

 ――以上のような点が要として挙げられますでしょうか。


 とにもかくにも、今回はのぞみの出しゃばり具合が交渉をグダグダにした印象があります。
 交渉を台無しにしたあげくに、結局はちからわざというか「暴力」で相手から取引材料を分捕るのですから、どちらが真っ当な交渉相手だったのかかなり微妙なところであったと思います。
 アニメーション作品の常とはいえ、こういう流ればかりであると教育上よろしくないような気がしますし、「アニメは子供が見るもの」という位置から抜け出せないのも当然かと思ってしまったのでした……。



 レモネードのプリキュアプリズムチェーンを見てヴィーナスみたいだなぁ……と思ったわたしは若くないですね(T▽T)。

 あー、もー。
 日曜の朝っぱらから悶々とアタマ使ったわー(笑)。
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