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 これにて幕引き!ってことで、ついに手塚と柴崎のエピソードが。
 えー、なによ、これ。
 本編の主人公ふたりより優遇されてませんかー?(笑)
 そりゃもちろんボリュームでは本編4冊+外伝1.2冊ってところですから十分に主人公の面目躍如でしょうけれど、エピソードがさー。

 本編はどうしても良化委員会との確執を登場人物の気持ち以上に中心に据えて置かないと軸がぶれますもんね。
 その点、外伝では良化委員会との確執なんてどこ吹く風ですしー(笑)。
 気持ちに焦点が絞られてくるのも当然でしょうし、そうなればエピソードもより親密なものになるのもまた当然ってことですか。


 フィナーレとなる今作ではそんな手塚と柴崎のお話のほかに、緒形副隊長のほろ苦い思い出と、堂上と小牧、両教官の若気の至りでの失敗談が収められているわけですがー。
 緒形さんのお話が思いのほか良かったです。
 外伝の『Ⅰ』で「お前たちは同じ側なんだから」という緒形さんの台詞があったので、もしやと思って楽しみにしていたのですよー。
 ああ、この人にはなにかあるなって。

 取り返しのつかない過ちというのは世界にはあるもので。
 緒形さんもそんな過ちを犯し、それを心の傷として背負って生きてきたワケで。
 でも彼が立派なのは過ちを挽回することではなく、それを受け止めて同じ過ちを繰り返さないこと、その過ちを糧に成長することに努めたことなんですよね。
 不器用な人なんだなーって思いますけれど、だからこそカッコイイ。

 有川センセのパターンもそろそろわたしも理解してきたのでアレですが。
 センセのお話は必ず倖せな方向を示して結ばれるのですよね。
 どれだけ悲痛であっても辛くあっても切なくあっても、最後には必ず希望が見えるっちう。
 緒形さんのお話でも、そう。
 緒形さんが、そして加代子さんが受け止め続けてきた十数年を、わずか数ページで飛び越えて倖せをカンジさせるなんて、それを安易だとする向きもあるでしょうけれど、わたしは好き。
 それは別冊という今作の構造上の制限であるかもですし、なによりそんなことがなくても緒形さんと加代子さんは「倖せになるべき資格」があると思うのです。思ったのです。

 玄田隊長と折口さんの例が目の前にあるのですし、不惑の歳がなんだというのです!
 たしかにあの頃は優しさが足りなかったかもしれないですけれど、でも嫌いになって別れたワケじゃないっしょ!
 しかもその「好き」って気持ちをずーっと抱いてて!
 なんていうのかなー、そういう気持ちを抱きながら大人になるのって、すごく素敵なことだと思うワケさ。
 純愛とかそんなの知らない。
 でも、ずーっとずーっと変わらぬ気持ちを抱き続けられるなら、それは何者にも勝る揺らぐこと無い真実なんじゃないの?

 くだらない世の中のせいで遠回りをしてしまったふたりだけど、そんなふたりだからこそ、倖せになるべきだと思うのさ!
 きっとこんどは絶対に間違わないよ、ふたりとも!(≧△≦)



 あー、緒形さんのことで語り過ぎちゃってメインの手塚と柴崎のことでなにを述べて良いやら(^_^;)。
 このふたりがもう鉄板だというのは当然だとして、そこまでへの運び方が実に厭らしいったら。
 最後にはハッピーを見せてくれる有川センセですけれど、そこへ至る過程でのエピソードでの陰湿さはかなりのものですよねー。
 真綿で首を絞めるとはこのことか。
 ジワジワと逃げ場を失うように追いつめていくっちうか、キリキリと胃が締め付けられるようなストレスにさらされるっちうか。

 で、そんなウサウサした気持ちの中で、やぱし郁はすごいですわ。
 問題解決に直結することはないのですけれど、こちらの代弁者たり得る行為を見事にきめてくれるっちうか。


「分かってんのか貴様らはっ! 同じ図書隊の仲間が! しかも女性が正体不明のストーカーに写真上とはいえ辱められたんだぞ! 憤りこそすれ回し見て喜ぶなどは言語道断だ! 写真は見なくても黙っていた者も同罪だ! 今日は全員まともに歩いて寮に戻れると思うな!」


 図書隊が一枚岩ではないことは重々承知していたつもりなのですけれど、これはなぁ……。
 良化委員会との闘争も変化(軟化?)してきた時代ということを差し引いても、こうまで図書隊の中が低俗化していたということに驚きを隠せませんでした。
 ことに郁が教官として教えていた吉田という隊員のアホウっぷりは極まれりでしょうか。
 こいつ、いつか図書隊にとって大きな足枷となりかねない気が。
 ……以前、朝比奈さんが柴崎に仕掛けてきたようなパターンで籠絡されて、簡単に機密情報を売り渡しそう。
 「あいつは俺がなんとかしてやらなきゃダメだったんです!」
 とか自信たっぷりに。
 緒形副隊長のストイックぶりを見せられたあとだけに、余計にダメダメ感が。

 吉田ってあれかなぁ。
 本編4巻のエピローグで「銃、打ちたかったなー」とかほざいていた隊員。
 だとするとホントにもう……(TДT)。


 柴崎へのストーカー事件は、可能性を考えられる最重要容疑者を敢えてなのか捜査線上からずーっと外している点が気になりました。
 いや、そこ、真っ先に捜査するでしょ!とか思ってました。
 先述の図書隊内の規律の乱れにつながるのかもしれないですけれど、郁をはじめとする真面目な図書隊員は身内が敵に回ることを想定していないっぽく感じるのデスヨ。
 図書隊を志願してくる者同士には鉄壁の絆があるかのごとく。
 むやみに疑えとは言いませんけれど、いざ有事に当たる場合には初期条件をクリアにして全ての可能性を探るべきだよなぁ……と。

 ぶっちゃけ、そこを疑えば犯行も早期に発覚してスピード解決していたのではないかと思ってしまったりして。
 写真に書かれたメッセージについても、誰も指摘しないし……。
 ダメすぎです、この探偵たち……(笑)。

 有川センセに推理ミステリは難しいかも……と思ってしまったわ(^_^;)。
 もっとも、それ以上に恋愛の機微について精緻に書けるかたなので、弱点や欠点は放っておいて得意なジャンルでこれからも活躍していってくれればいいんじゃないかなーとも思います。



 とまれ、本当にこれで最後。
 大変な時代はまだしばらく続く世界ですけれど、そんな世界だからこそ、みんなみんな倖せになればいいと思うよ!(≧▽≦)


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