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 地球規模の恐慌のなかで、世界征服をうたう悪の組織。
 だけれど悪の組織も人間が動かしている以上、そこでの活動は「就業」であり「ビジネス」であり。
 悪の組織で働く人にだって生活があって、死ねば散る命もあるワケで。
 そんな組織で「働く」お父さんの悲哀と、そんな世界で生きる家族の絆を描いた作品……なのかな?

 冒頭からしばらくは、誘拐してきた女の子への対応に眉をひそめたのですよ。
 いくら組織の構成員宅とはいえ、一般家庭になんの策も無しに預けるなんて、それは無いっしょ~と。
 この被害者である女の子の傍若無人っぷりも嫌悪感。
 そして組織から命じられているからって、その女の子の傍若無人っぷりを容認しているお父さんにも失望。
 お父さんから常々しつけられてきた正しさを守っている息子が可哀想でさー。

 今作って家族モノだと思っていたので、そーゆー「正しくない生き方」を正すような展開があるのかと思っていたのですよー。
 頑固一徹なお父さんが、ね。
 でもその肝心なお父さんがあまりに弱腰だったもので、逆にそういう作品なのかなーと思い始めてもいましたよ。
 大人の姿を反面教師にして、その子どもが強く真っ直ぐ自立していくような。


 でも、中盤以降は違ったー。
 やっぱりお父さんは不器用な人ではあったけれど間違ったことはできない人だったし、その息子はそんなお父さんを尊敬していたし。
 間違いを間違いだと指摘できるよう育てられた息子の姿に、傍若無人のお姫様だって大切なモノがなんであるのか気付くことができたし。

 もう、そこからの展開は泣けてしまったわー(T▽T)。
 父と子、夫と妻。
 そんな小さな家族の絆がさー、もうねもうね。

 誰しもにこの世界を変える、この世界を動かせるチャンスや能力が与えられているわけではないし。
 でも、そのチャンスや能力が与えられている人が世界を変えようと思う瞬間が来るのだとしたら、そのきっかけはこういう小さな絆からはじまったココロが連鎖していくんじゃないかなーって。



 最後のまとめかたは、ゲームの盤上をひっくり返すような一手だったのかもしれません。
 でも、その存在とその影響の大きさは序盤から含ませてありましたし、最後にきて突然のルール違反を犯しているわけではありません。
 乱暴とも思えるかもしれない強引な決め手も、わたしには物語をしめくくるに相応しいダイナミズムだと思えました。
 中途半端に世界を存続させようというような姑息さが無く、全てを失ってもこれで決める!というような爽快感が。

 いまの電撃文庫において最終選考作というポジションは易しいものではないと思います。
 これからを楽しみに……なんてことを簡単には言えません。言ってられません。
 わたしはこの作品を好きになりました。
 だから、もっとたくさんの人にこの作品のことを知って欲しいと思います。

 「最終選考会では賛否両論!?」とオビのコピーにありました。
 その言葉通りだとすれば、「賛」も必ずあったのです。
 わたしも「賛」です。
 キャッチーな売りはありませんけれど、作品って、要素だけじゃないですよね?
 あらためてそうカンジさせられた、素敵な作品でした。


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