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 北朝鮮の工作員と彼らに精神的なレベルから搾取され続けている在日のかたと、そんな「北」の動向を含めて日本を外敵から守るという信念で動いている公安と、国の土台は市民の平和にあると信じている一回の刑事。
 現実において表からは見えてこない、そして作中においてもさして交差することのない彼らの思惑が奇妙に入り組んだ物語。

 誉田文学においては、個々の人物は「平和とは?」とか「倖せとは?」という信念を考える前に、世界を構成する部品のひとつである……という描き方がされていると思うのです。
 そこにキャラクター性など無くて、動かされる生かされる、そして殺される……といった脅迫感や焦燥感などがつとにつとに。



 それにしても向こうの国のかたがたの潜入の手口や同胞の引き込み方など、みっちりと描いてきてるなぁ……という印象。
 フィクションだとことわりがあったとしても、その手口は真に迫るものであり恐ろしいというほか無いです。

 でもって、この日本で生きる上で「在日」という立場がどのように見られ、扱われているのかを描いているという点でも意欲的なのかも。
 触れなくても作品が描けるのであれば、社会的にみればアンタッチャブルでいたほうが障害は少ないのではないかなぁ……と、いらぬ心配を。

 んでも今作でも主題として取り上げられていたように、現代を舞台にしてクライムノベルを上梓しようとなれば、そこは避けては通れない道なのかも……。


 犯人を追いつめる工程ももちろん盛り上がってはいましたけれど、なにより公安部と警察の確執が面白かった~。
 ひとつ「治安」という現象を追い求めていても、そこへのアプローチがこうもふたつの組織のあいだでは異なっているのだなぁ……と。
 国家の平和は必ずしも個人の平穏と結びつくものではないし、個人を優先し続けていては国家が犯されていってしまうという。

 誉田センセらしいアイロニーに満ちた内容でしたわー。


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