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 桜庭センセの直木賞受賞後第一作とのアオリですけれど、三分の二の流れは加筆修正がされているとはいえファミ通文庫で上梓されたそれですし。
 作品の出自がそこにあるせいか、いまの桜庭センセの作品にしては作り込みが甘い印象があるよーな。
 いまのセンセなら、もっと複雑な感情や情念を織り込んでくるイメージがあるのですけれど、今作は思考の流れが固定化されているっちうか一元的っちうか。

 もっとも、そうした単純構造があるから、12歳から16歳の多感な少女時代を経てくる荒野の変わり様が浮かび上がってくるのかもですけれど。
 ……でも、やぱし彼女の視点や思考が強すぎて、それはキャラクター性を重視するライトノベルという分野で生まれた作品だからなのではないかなぁ……と感じてしまう次第。

 「越境作家」が騒がれて久しいですけれど、作品の描き方で二つの世界の異なりかたを示してくれている貴重な作品でもあるのかなーと思います。


 もちろん全てが違うというワケでもなくて、少女が女に変わるということ、女性が圧倒的な存在感で世界の中心に据えられているようなトコロ、変化を恐れながら必然のためにそれを受け入れるトコロ……etc、いまの桜庭文学に通じていく要素などはむしろ盛りだくさんな印象があったりして。
 このあたりがやぱし桜庭センセのターニングポイントであって、そしてベースラインなのかなー、と。


 荒野についても悠也と付き合うことになっても、そこに劇的ななにかがあるわけでもなく、外へと歩み出していく悠也とは反対に昔からの場所にとどまることを選んでいるワケで。
 少女から女になった彼女もまた、新しい世界の中心に座していくのだなぁ……と思うワケですよ。
 で、悠也は彼女を起点に外へ外へと「荒野」を目指していくワケで。
 始まりを決めなければ、なにが「外」でなにが「内」なのかは規定できませんものねぇ……。



 桜庭センセの作品は、青春文学には決してならず、あくまで少女文学の域で高みに達しようとしているのだなぁ……という認識を深めた一冊でした。


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