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 これまで育んできたモノが一気に開花したような感覚。
 これも「転」って言うんでしょうか?

 図書館に出没した痴漢騒動で小牧教官と毬江ちゃんの絆を描いたお話から始まり、昇任試験で堂上班(+柴崎)の人間模様を、そして差別用語問題を扱ったお話で『図書館』シリーズの根幹を見つめ直して、ラストは久しぶりの大規模攻防戦で派手に締めくくるというド派手な一冊。
 もう『図書館』シリーズの魅力満載っちう!

 でもこれってこれまでの2冊での諸々の積み重ねがあってこそ描けた内容であったかと。
 それだけに考えるのは、3作目にしてシリーズの集大成であるとともに、次の最終巻への転機となる巻であるなぁ……ということでした。


 小牧教官と毬江ちゃんの関係が前巻から最大の関心事(笑)になっていたわたしにとって痴漢騒動のお話は引き込まれたわー。
 3巻目で中だるみしそうなところ、一気に持って行かれたっちうか。

 二人の関係って、なかなか進展していかない堂上班長と郁の関係との対比でもありますよね。
 順調に関係を育んでいっている小牧教官と毬江ちゃんに対して、焦れ焦れしながらもある瞬間に二段飛び三段跳びで駆け上がっていく堂上班長と郁(笑)。
 まぁ、どちらもがんばれ!って思いたくなる関係ですけれど。

 ……あー、柴崎と手塚ですかぁ?(^_^;)
 あの二人はなんちうか、えーっと……まだまだですよね?(苦笑)



 昇任試験は意外な展開を持ってきたなーと。
 検閲闘争だけでなく、どちらかといえば日常的なシーンを描くという点で。
 もちろんこういう意外性といいますか、必ずあるはずの生活を描くことで物語に真実味が増すとも説得力が上がるとも思いますけれど。
 郁が図書隊員になってくれて良かった~と思えた展開でした。
 読書が「象牙の塔」で満足することなく、次の時代を生きる子供たちへ行為として伝わっていくこと。
 それを教えてくれる人って大切だなぁ……と思うのですよ。
 それも強制ではなく、自発的な関心を植え付ける手法で。


 差別用語の件についてのお話は物語のベースにある仕掛け以外には、柴崎×手塚の関係を深めるといったエピソードでしかなかったように思うので、あまり……。
 その意味するところがシリーズとして重要な部分を担っているとはわかっているつもりなのですけれど、もー。

 むしろ重要という意味では次の茨城県展警備のほうが?
 もともと原則派と行政派の内部対立という面は描かれてきていましたけれど、それにしたって関東図書隊あるいは各図書隊の中で済んでいた対立構造であったわけで、この県展警備のお話はもっと大きく、組織として全国が一枚岩ではないことを明らかにしたわけで。
 さらにはこれまでその存在で図書隊を支えてきた稲嶺司令が勇退することで、いよいよ隊員各自に「図書隊員」としての意味を考えさせ抱かせるっちうかー。
 あー、これは『図書館「危機」』でありますなぁ……と、タイトルに納得がいった展開でした。

 にしても茨城図書隊の業務部と防衛部の対立は陰惨だなぁ……。
 いや、対立じゃないか。
 防衛部のほうが一方的に虐げられているだけですし。
 有川センセのうまいと思えるトコロは、もちろん目に見える動的な部分を描かれることにセンスを感じる(端的にアクションを明示できる)だけでなく、こういう精神レベルでの闘争?を描けるところにあるのではないかなーと思うのです。
 それって、つまり、葛藤ってことだと思いますし。

 ことにセンセが女性だから……というのはうがちすぎかもですけれど、女性の精神面での駆け引きが、なぁ(苦笑)。
 悪意を目に見えるかたちで表現してくるっちうか。
 だけれどもそうして目に見せておきながら、同じ女性であることに郁が引け目を感じているところに――

「お前はそのときのお前と同じ思いを他人にさせるようなことは思いつけないよ。お前はそういう人間だ。そういうことは思いつける人間と思いつけない人間がいるんだ。お前はそもそも思いつけない奴だ」
「あ……あたしだって、本気で傷つける気になったら、」
「お前はな、喧嘩になるタイプだよ。本気で喧嘩になって本気で傷つけるんだろうよ、相手を。それで自分も本気で傷つくんだろうよ。でもこんな悪意は思いつけない」

 ――と、同じではないことを認めてくる堂上がッ、がッ!(≧▽≦)
 ひゃー、じわじわ接近してきたわー(笑)。

 でもって、そんなドロドロとしたゆがんだ構造も防衛戦が明けたときには問題解決に向かっていたのですけれどもー。
 立場が悪くなった業務部が曖昧な謝罪をしようとしたところへ郁の怒りがドンッと落ちたわけで。
 うんうん。
 郁のこういうハッキリとした意志表現って、ほんと好感。
 先述の堂上が評するところの「喧嘩になるタイプ」って、こーゆーところも含んでのことなのではないかと思うー。
 手塚のお兄さんも言ってましたけれど、直感的といいますか感覚派といいますか(笑)。



 いやいや、ホンッと面白かったわー。
 これだけのことを描いてしまっては、締めとなる次巻が楽しみでもあり不安でもあり……。
 早く読もっと!


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