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 若くして妻に先立たれた男性が遺されたひとり娘を男手ひとつで育てていくなかで、娘の成長に時間の流れを感じつつ、時間とともに変わっていくものと変わらないものを感じていくお話。

 うああああああぁぁぁぁ……!!!
 なんていうのかなー、「間違えなかった『汐 篇』」って言うのかなー(人生)。
 パパさんの健一さんの努力とか、愛娘の美紀ちゃんの健気っぷりとか、もうねもうね(TДT)。


 この世界はお役所が言うところの「標準世帯」に属さない家族には生きにくい世界であると思うのです。
 そうした世界で生きていくには、いろいろと障害があったり理不尽なことがあるのですよ。
 残念なことに非「標準世帯」の家族が感じる想いについて「標準世帯」の人は気付きにくいのですよねー。
 もちろん非「標準世帯」の側が、それを気付かせないように振る舞っている部分も小さく無いのですけれど……。

 でもね、そうした気付かない想いは絶対にあるし、抱えているものなのですよ。
 誤解されると困るのですけれど、それを無理にわかってくれというものではないのです。
 「標準世帯」とされる家族にも実際には様々な形があるように、そうした1形態として受け止めて欲しいということなのですよ。


 たぶん、こういうことを言うのは今作の主旨から外れてしまうのかもですが、それでも言いたくなってしまった次第。
 父子家庭や母子家庭の方々はいろいろな困難が襲うでしょうから、困ったときは「困っている」と言って良いと思うのです。
 自尊心が許せる範囲で。
 ゆずれないものは必ずあると思いますし。

 母の日のためにお母さんの肖像を書きましょうと授業する小学校教諭。
 うん、まぁ、それ自体は教育の一環ですし決して配慮に欠けているとは言いませんけれど、亡くなってしまった人だからといって「死んだお母さんはもう家には居ない」と言ってしまうのは配慮に欠けると思うのです。
 それは自分が「標準世帯」で生きてきた、気付かぬうちに潜む驕りではないかと。


 そーだよ、ウチのママ、しんじゃったんだよ、でもいるんだもん、ずっとウチにいるんだもん、あんたたちのママってしんだらいなくなっちゃうの? そんなのだめだよ……。


 幼いながらもそれを言える美紀ちゃんの感性に涙(T▽T)。
 で、そうした感性を大事にしていくパパさんの健一さんも立派デス。


「美紀はこれから、思い出すたびにつらくなって、悲しくなって、寂しくなると思います」
「……忘れるさ、すぐに」
「忘れません」
 強く言った。義父は、わかったわかった、と苦笑交じりに目をつぶる。
「でも、つらい思い出に触れるたびに……美紀は、優しくなってくれると思います。いまよりももっと優しくなって、生きることに一所懸命になって、そういうふうに一所懸命に生きているひとたちのことも、ちゃんと尊敬して、愛して、愛されて、……そんなおとなになってくれると思うんです」


 ああああ……(T▽T)。
 
 二歳児保育から始まって小学校を卒業するまでの10年間。
 確かな歩みでもって生活していく父娘の姿を情緒豊かに描いています。

 もしかしたらこれを欺瞞って指摘する人もいるかと思うんです。
 夜泣きをあやす苦労とか、急病で仕事を休まなければいけなくなるようなこととか、辛いことはほとんど描かれていないという理由で。
 うん、それはそうかも。
 現実的な部分から、視線をそらしている感はあるかもです。

 んでも、ですね。
 わたしは健一さんと美紀ちゃんなら、そうした描かれなかった部分の辛さも乗り越えていったのではないかと思えるのです。
 なにもふたりがとても優れていたから……という理由ではなく、当然、周囲の理解と協力があったから乗り越えられたのだと思います。

 優しい祖父母の存在、教訓を授けられた人との出会い、信じている信じられる人の想い。
 そういった縁が、ふたりを育んでくれたのだと。
 そういう物語だと。

 そうした出会いや存在を、これまた「運が良かっただけ」と評するかもしれません。
 そうですよ。
 ふたりは運が良かったんですよ。
 でもね、そうやって与えられた幸運は周囲の人たちが生み出すことの出来た幸運なんです。
 わたしにも、あなたにも、誰しもその幸運を生み出して与えることができるんです。
 誰かにとっての幸運を作り出すこと、それが優しさというものではないでしょうか。


 世界はもっと優しくなれる、そう考えた作品です。
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