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 家族に緊急事態が発生して初めて自分がうぬぼれていたことに気付いたフリーターが、そこから家族のために一念発起して立派な社会人を目指すお話。

 社会の既定路線からいちど外れてしまった人間が再起を図るには、日本社会はいかに難しいのかという……話だけじゃないわなぁ(^_^;)。
 もちろん社会のシステムがそうであるという面は否定できませんけれど、しかし問題の根底は増長し肥大した自尊心と周囲の気配を察しない鈍感さという個人に帰結していると思うので。
 それはもう愚鈍って「悪」なんじゃないかって言っていいくらいかも。


 だけれども、そうした愚かな部分が満載である主人公だったからこそ、底辺からの這い上がりが物語になるワケで。
 わたし自身も「自尊心と愚鈍さ」を併せ持つ人間なだけにグサグサときたわー。
 それでも主人公である誠次は這い上がっていったのですよねぇ……。

 これは……自分との差を考えてしまうと、ちょっとツライお話だったかなぁ(T▽T)。
 当初は親近感を覚える方向で気恥ずかしい主人公なのですけれど、その後の展開では自分には追いつけない速さで成長していく姿を見せつけられる気まずさで見ていられないカンジっちうかー、ちうかーっ!!!

 生まれが違うヒーローなら憧れの対象になり得るのですけれど。
 こうまでスタート位置に差が無いと、憧れを通り越しちゃって眩しくて見ていられませんよ……(TДT)。


 まぁ、有川センセはべつにお説教じみた目的で今作を上梓されたワケではないでしょうけれど。
 でもフィクションとして生き方の可能性をひとつ示されてしまうと、どうにも我が身を振り返らざるを得ないのですよねー。
 いや、もう、こんなことを言っている時点で立ち止まっちゃっている感が全開なのですけれど!

 わかってるんよ? わかってるんよ!!!(><)



 そんな次第で彼の生き方に考えるところが大きかったので、中盤以降の正社員へクラスチェンジした話や仕事で活躍していく話は、なんとなーくオマケ感を覚えてしまったのでした。
 そこで仕掛けられた展開の妙とか、飛躍するための着想などは有川センセらしい視点のモノで楽しいとは感じてましたけど!


 嫌味な言い方をすれば「フリーター状態では家を変えていない」のですからタイトルに偽りあとも言えるワケで(これは重箱のスミだとわかってますけどー)。


 ダメだった自分を脱してからの、いわゆる成功譚ってさぁ……なんか、こう、遠い人に感じてしまって(苦笑)。
 「へー、そうなんですか。すごいですねー」って考えてしまったところが無かったとは言わないですよ! ええ!
 ……どんだけ卑屈なんだ自分(T▽T)。



 そして有川センセといえばベタ甘ラブですが(笑)。
 ラブ分もねぇ……。
 有川センセにしては濃度低いですし、そういう点からもちょっと……なカンジだったかも。
 日経新聞の書評で「恋愛要素も面白い」みたいな書き方をされていて、有川センセはそっちが主題だろ!とか思ったのですけれど今作においてはスパイス程度の味付けしかされていなかったワケですしー。
 いつもの通りを期待していたら、少し物足りなかったっちう(^_^;)。


 良い作品ですし面白いと思いましたけれど、好きになるには難しい作品でした。
 読み手個人が置かれている環境に感想が左右されそうな作品だと思います(^_^;)。
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