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 うっはー! 気持ちイー!!!(≧▽≦)
 なんですか、この突き抜け感は!

 およそ高校生とは思えない技術と知識をもったオンナノコたちが忘れられていた遺物と出会い、再びあるべき場所へとそれを送り返すために奮闘するお話。

 その遺物っていうのが先の戦争に生み出された無人戦闘機!
 てことは戦闘機があるべき場所ってのは当然、大空!
 遵法精神なんて知ったことかとばかりに、オンナノコたちはマッドサイエンティストさながら自分たちにできることの全てを行使して戦闘機を空へと還すのです!


 サイエンティストっていうより工学系かな?
 だから正しくはマッドエンジニアリングなんでしょうけれど、しかし「オンナノコ×エンジニアリング」の魅力ったらないわ!
 描かれることが少ない組み合わせのせいか、もうそれだけで個性的。

 しか~も!
 そうした表面的設定のみならず、性格や気質などの内面的設定も各人個性的!
 快活で大胆な思考ながら気配りに長ける芹香、おっとりしたお嬢様風ながら譲れないことには異常に頑固でわがままになる奈緒子、何事にも真理を求める厳格さがありながらそれ故に裏表が無いためどうにも憎めない千鶴。
 マッドエンジニアリングの才能を持つのは彼女たち3人なのですけれど、さらに彼女たちのあいだに放り込まれて右往左往しながらも自分にできることを果たす真面目な由衣が加わることで、物語が賑やかに駆け抜けていくのですよ~。


 あ、忘れちゃいけません。
 遺されて死を待つだけだった戦闘機「ヴァルトローテ」の存在を。
 この物語は世界の可能性を信じるオンナノコたちと希望を持ち続けた人工知能との交流のお話でもあるのです!
 ヒトではない知性との交流譚!
 もう、大好物がいっぱいすぎるわ!(≧▽≦)


 いろいろと事情が重なってヴァルトローテを空へと還すミッションが夏休みの期間内に収まったのもGOODですねぇ。
 「ひと夏の物語」としての側面もノスタルジィをあおってきますし~。

 ミッションの行方、そして期間。
 どちらの要素でもカウントダウンが進んでいって、物語を加速させていってるのですよね~。
 これは引き込まれる~(^-^)。



 ただし作品としての完成度が高いとは簡単には言えないと思うのです。
 上記のオンナノコたちを冒頭部分で紹介していくくだりはどうにも複雑な気がしますし、同様の描写や表現を繰り返し用いているところもあります。
 なんていうか、語彙が多いかたでは無いのかな~って印象が。

 で、も!
 そんな瑕疵に感じるところを補ってあまりある展開構成の妙ですよ!
 語彙なんてものはあとから増やせば良いだけですし、重複する表現も注意して修正していけば良いのです(だから編集さんがんばってと言いたいのですが……現在のポジションでは無理かなぁ)。

 例えるなら。
 冷蔵庫の中に食材がたくさん入っているからって美味しい料理ができるとは限らないわけで。
 冷蔵庫の中に入っている食材だけで美味しい料理を作ることこそ、料理人の腕の見せ所ってもんでしょう!



 こういった工学系、あるいはミリタリ系の作品って、たま~に登場してきますよね電撃文庫は。
 でも主立った賞はとってきていないので、審査員には受けが悪いんでしょうねぇ……。
 学園異能だか現代風ファンタジーが跋扈するなかで、やはりかなり異色で個性的だとは思うんですけれどもー。
 もう存在だけで価値があるっちうか。

 んでもこうして拾われてくる、たまに刊行されるってことは、「売りたい」って考えている人が編集サイドでいらっしゃるんでしょうね~。
 がんばって~♪(笑)


 まぁ、それでも今作に限って言うなら、受賞できなかったというのもわからないではないなぁ……という部分はあります。
 先述した語彙の部分ではなく、構成の部分で。

 結局、この物語はオンナノコたちの持てる才能でどんどんと突き進んでいって、ピンチたるピンチに遭わないままに完結してしまうのですよ。
 それは若い世代へ向けたライトノベルの方向性としては合わないのではないかと。
 法を横目に己の才覚だけで世界を切り開く……なんて、ピカレスクロマン過ぎるのではないかと(笑)。

 加えて、唯一と思えるクライマックスでの窮地においては、イヤーボーンとは言わないまでもデウスエクスマキナの登場?で回避してしまうのですから、少なからず強引との印象を受けました。


 んでも成長譚ではなく交流譚、しかも痛快娯楽小説だと思えば作品としての形は十分に整えられていると思います。
 オンナノコたちのかしましい様子や、人工知能との意思疎通、エンジニア方面への深い造詣、さらには息詰まる空戦のダイナミズムたるや!(><)

 バンビあたりでアニメ化してくれないかしらかしら。
 ほら、「雪風」つながりで(笑)。

 目立つほどではないのですけれど、既存作品のパロディやらオマージュやらを所々に持ってきています。
 こーゆーの嫌いな人も居るかもですけれど、今作では直接的に記すことはしていませんし、「戦前の文化」というニュアンスで用いているので時代の隔たりを示唆することにもひと役かっているかと。
 わたしは良いスパイスだと思いましたよ、うん。



 イラスト、バーニア600センセも良い仕事してます!
 若干ディフォルメかかったスタイルですけど、バランスは取られてますしむしろ身体美の魅力を強調している方向かな?
 人物のみならず小物アイテムから大物の戦闘機まで描ける技術の高さをうかがえますし、このかたであったからこそ今作もここまでの輝きを持ったのだと思います。

 こう、オンナノコが集まった作品ですと「誰が好き?」話に花咲くとは思うのですがー。
 今作を考えると……く、苦しい。
 みんな魅力的なんだもん!(ワーイ)

 ……あ、あえて平均的バディの千鶴と言ってみる(^_^;)。



 これまでの状況を鑑みるに、落選組からの浮上は大変難しいと言わざるを得ないでしょう。
 でも、このまま埋もれさすには惜しいと叫びたく!
 いちおう続編の展開も可能な結び方をしていますけれど、いや、もう『ピクシー・ワークス』でなくても良いです!
 南井センセの次の作品を拝めるのでしたら、ホントに!(≧△≦)

 お願いしますよ、電撃編集部のかたがた……マジで(T▽T)。
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