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 なんていうのかな……。
 すごく素直な気持ちで書かれたんじゃないかなって気がします。
 ひとつの作品を作り上げるために全力を傾けている一心さというか。

 シンプルなんですよね、お話自体。
 男の子が勇気を振り絞って、傷ついた女の子を救い出す物語。
 しかもベースガジェットがタイムループものって、そりゃもう手垢が付くほどに使い込まれたガジェットじゃないですか!
 それでいながら退屈することなく読み進められていったのは、おそらく描くことへの強い想いがここにつまっていたからじゃないかなぁ……と思うのです。
 次どうするかとか考えて無くて、今作だけを至高の作品とするべく。


 実は読み始めてすぐに「ああ……(苦笑)」とか思ってしまったのですよー。
 なにしろタイムループものでしょう?
 さらには「人生でゲームのようにSAVEとLOADができたら」なんて設定、もう新鮮味なんてどこにも見あたらないじゃないですか。
 そんな倦怠感は先へと進むごとに振り払われていって、なにかに引かれるように気持ちも加速していったのです。


 幼馴染みに起こった悲劇を食い止めるために時間を繰り返す主人公。
 やり直しができる人生で、これまではなんでも思うように生きてきて、それゆえに退屈も感じていた主人公。
 そんな彼が、なんということか彼女の悲劇を救うことができないという事実にぶちあたって。
 何度も何度も時間をさかのぼり、様々な方法を手段を試してみるのに上手くいかず、募る焦燥感。
 全能の神を気取ってみても、所詮は女の子ひとりすら救えないちっぽけな存在だと気付かされる絶望。

 しかし!
 しかしですよ!
 諦めない! 諦めないのですよ、彼は!!!

 絶望の縁どころか絶望そのものに覆い尽くされそうになっても諦めはしなかった。
 不可能でないなら、それがどんなに小さな希望であろうと意味はある、価値はある。
 そう決断して実行する彼はオトコノコだわ~。


 そしてこの大逆転劇を演じるための手段というのがキモですよね~。
 いかに使い古されたガジェットといっても、「ココだけは!」という部分さえしっかりと組み入れれば、それはベタではなく王道の物語へ進化するという。
 まさに鮎川センセのオリジナリティの力、見せてもらいました。

 さらにはこのキモがきちんと某かとトレードオフを果たしている点も見事。
 それが少なくない悲しさと切なさを呼び起こすのですけれど、それでいながら彼は選び取るのですよね~。
 人生を退屈していた彼が、その意味を知る瞬間ですよ。
 ハッキリとは表現されていなくても、この選択ひとつで彼の成長を読み取ることができると思うのです。


 正直に言えばキャラの扱いについては不満な部分もあるのです。
 でもそれは嗜好の違いだとわかりますし、なにより主人公の行動に間違ったところは無いので納得できるのです。
 なんて綺麗な物語の形なんだろうって思ってしまいましたよ!(≧△≦)



 読み終えてからあらためて表紙を見れば、なんて示唆的なんだろうかって気付かされます。
 構図とか絵柄とか、昨今のライトノベル業界の方向性からすると目を引かないデザインだと思うのですけれど、作品との親和性はハンパ無いです。
 まさに「この物語に、このイラストあり」と納得ですもん。

 白背景にキャラひとりをポンと置いただけのレーベルが多い中で、このデザインは一石を投じてるんじゃないかと。

 おまけにカラー口絵も挿絵も、それぞれが作中の展開と強い結びつきをもって描かれているように思うー。
 単に見栄えが良いシーンとして描かれているんじゃなくて、その絵があって更に物語が深まっていくカンジで。



 やー、ちょっと、これは次作を楽しみにしてしまうわー。
 ガガガ、おそるべし(笑)。
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