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 生徒はみんなクラブへ入部しなければいけないという学校の規則。
 憧れの先輩が居るからという理由で友人に引っ張り込まれた先は、部員ひとりで正式にクラブとして認可されていない“飛行クラブ”。
 ヒトもカネもモノも無いクラブで、空を飛ぶために少年少女が冒険する物語。


 タイトルを聞いたとき、すぐに思ったのは「ファンタジーなのかな?」ってことでした。
 いや、普通に考えたら「空を飛ぶ」なんて簡単なことじゃないでしょう?
 もちろん機械工学とか学んでガチで物造りに励めば無理じゃないかもしれないですけれど、読み始めてすぐに主人公が入学したての中学一年生とわかって、そのセンもハイ消えた!って。

 となれば、いつか魔法的展開が……と構えていたのですが……。
 えーっと、はい、ゴメンナサイ。
 わたしが短慮で浅はかでした。
 中学生が本気でガチで「空を飛ぶ」ことに真っ直ぐに向かっていくお話でした。
 すごいわ……(´Д`)。


 いかにして空を飛ぶことを可能としたのか、それは伏せます。
 もちろんそれは魔法でもファンタジー的展開でもなく、ちょっとした偶然だけれど。
 でもそれだって中学生の彼女たちには叶えることが簡単ではなくて、時間をかけて少しずつ前へ歩んでいったからこそ叶えられたことなんですよね。

 「自分のちからで空を飛ぶ」
 その思いをバカだ無謀だと罵ることは簡単ですけれど、それが叶うときは必ず諦めない意志があるハズなんです。
 それでもさらにいくつかの偶然を呼び込む必要があるのだけれど、諦めない意志があればそれは偶然じゃなくて奇跡って呼ぶのだと思う。

 偶然ではなく、奇跡が起こること、起こすことを、物語って言うのだと思う~。


 さらには中学生というポジションがまた物語に絶妙な意味を与えてます。
 たとえば空を飛ぶためにはやはり先立つモノ、お金が必要になるわけです。
 仮に高校生という身分であればアルバイトという手段が浮かび上がるのですが、中学生という身ではそれすら取れません。
 学校の規則が、とか、家の了解を得られない、とか、そういうレベルの話ではなくて、もう社会的に基本、無理。
 じゃあどうする……ってあたりで一捻りした展開があって、それがドラマになり物語に広がっていくのですよね~。

 中学生だからいろいろな制約を受けてしまう。
 だからといって自由なほうへと逃げないで、物語的に解決を求めていく。
 う~ん……こういう発想は唸ってしまいます。
 加納センセ、スゴイ……。


 お金のこと以外でもいろいろと制約を受けるワケですよね。
 中学生だから。
 子どもだから。
 でも、そんな理由で空を飛びたいって気持ちを諦められるハズもなく。

「ほんとは嗤う資格なんてないんだ」強い口調で先輩は続ける。「一生、地面に貼り付いたままの連中になんて。地球の重力から自由になりたいと思わない連中になんて」
 怒ったような、じゃない。確かに、斎藤先輩は怒っていた。
 (中略)
 その気持ちに、ウソはないんだろう。それはよくわかった。もとよりその点を疑っていたわけでもない。だけど……。
「なら、いつまで地面に貼り付いているつもりですか?」
 強い口調で言ってやった。先輩はびっくりしたようにこちらを見やる。
「ぼんやり空を見上げたり、本を読んだりしているだけじゃ、いつまで経っても空なんて飛べませんよ。今すぐに動きださなきゃ。飛行機だって、離陸のためには勢いつけて走り出すでしょう?」

 うひゃー!
 こんな単純な煽りかたが堪らないです!
 理由や理屈、言い訳を考えていてもなにもならない。
 どれだけ難しいことだとしても、動きださなければその先は見えてこない。
 それを若さゆえの蛮勇って言うかもしれませんけれど、臆病から得られるモノは無いのです。


 あとはもう、ひとつずつ問題をクリアしていくだけ。
 ヒトも、カネも、モノも。
 どれも一筋縄じゃいかなくて、中では中学生の少年少女らしい軋轢も生じさせたけれど。
 そして時にはやっぱり大人の力を借りなければいけなかったけれど。
 それでも問題を解決できたのは、前を向く気持ちがあったから。

 あー、もうっ、この子たちってば!!!(≧▽≦)


 最後まで波乱を見せて、ドキドキした気持ちを完全に昇華させて閉幕。
 夢を叶えていくエンターテインメントとして、脱帽です。
 ブラヴォー!


 ラスト。
 飛行クラブの今後について、少しだけ寂しい思い、残念な気持ちをおぼえましたけれど。
 しかし実は未来は明らかにされていないのですよね。
 もしかしたら……という可能性を勝手に夢みて、これはこれでアリだと納得(^_^;)。
 次のこと、明日のこと、未来のことを考えて、不安と心配をおぼえてしまうのは大人の悪いトコロです。
 いつだって、今を精一杯に生きる。
 子どもの頃は誰もがそうしていながら忘れてしまったことを思い出させてくれる物語でした。

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