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 既読の作品より、ちょっと登場人物の年齢が高いかな?
 高校生から20代半ば過ぎってところですし。
 そんな年齢構成が関係してくるのか、今回のお話は妙に生々しくって。
 男と女のあいだで、それぞれのセックス観がキーになっているっちうかー。

 んでも、分かり合えなさ……という部分ではこれまでの作品と同じニオイが。
 むしろどれだけ肌を重ねても男女は同一化できないという決定的なモノを見せられたカンジ。

 んがしかし。
 同一化できないからといって必ずしもそれが不幸であるかといえば、それはまた違うのかなーってカンジもします。
 ただより「個」であることを意識させられてしまうだけで、生き方としての不幸とかとはまた別の話になっている……という気も。

 たとえば「十七歳スイッチ」では肌を重ねることで一緒にはなれなくても相手のことを理解できて少しだけ近づけたカンジで結ばれていますし。


 ……もっとも、それでこの2人がこの先も同じ道を歩んでいくのかといえば、そういったことに対して決定的な状況証拠を残さないのが豊島センセなのですよねー。
 ただその物語においてはそうである……というだけで(^_^;)。

 だもので「それから」の話については読者の想像に任せられているワケですが、今回は1作、意外にも時間軸が連続している作品があって。
 んー……。
 豊島センセのスタイルがそうであるとわかっていても、やはり「それから」が描かれていると読み手としてはどことなく安心感がありますねぇ(苦笑)。


 あ、でも厳密に言えば時間が連続しているというものでもなかったかな。
 視点が女の子サイドから男の子サイドへ切り替わった……というほうが正確かも。
 もちろん、状況状況で男の子がどう受け止めていたのかを知ることができて、大変興味深い作品に仕上がっていたと思います。



 わたしが読んだ豊島センセの作品のなかでは、ひときわ重い作品かなぁ。
 こう、水に濡れた衣服の重さ――みたいな。
 まとわりつく苦しさのようなものを感じた作品でした。
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 異世界に迷い込んだ女の子が皇帝の花嫁となり、当初はそりの合わなかった皇帝ともいつしか相思相愛になって倖せをつかむお話。


 んー……。
 お互いの立場や境遇があってそれぞれを受け入れられなかったふたりが結びつくという流れは悪くないのですがー。
 その流れについて、これといって波乱が無いのはどうなのかなぁ……。
 エンタメ作品として起伏がないってのは苦しい気が。

 これといって性格的に問題ない男女が一緒にいれば、そりゃあ気になる仲にもなっていくでしょう……ってカンジで、よろしくない説得力はあるのですが。


 ヒロインのカナエが異世界へやってきた経緯についてもほぼ不明で、これだけ情報に乏しいと同情するにも同情できないカンジ。
 異世界へやってきてからの境遇についても断片的すぎて、ここまで初期情報が希薄ならこの「異世界へ来た」という部分はオミットしても良いのではないかと考えてしまいます。
 「要は」という言い方でするなら、いやおうなく引き合わされた2人が逃れられないシステムを越えて感情的に結び合う……というお話なのですから。
 実家の都合でお見合いのカタチで政略結婚させられたふたりが、しかし家同士の都合が省かれても互いを必要としあう関係性を構築できた……ってことなのですから。



 作品としてここでスッキリとまとめられているとは思いますが、物語としてスッキリしているかには疑問符を付けます。
 ん? 逆かしら?
 書けてるけど描けてない、そんなカンジでした。




 うああああああ!!!!!
 行き場のない想いがどんどん膨らんでどうにもならなくなる寸前なカンジ。
 あるいはどこまでも膨らんでいくことへの恐さ、かな。
 終わりが見えないよ、この想いには……(T▽T)。


 豊島センセお得意の連作短編集。
 今作では4編収録なので、それぞれが若干長めな傾向?

 タイトルに掛けてどれも「花」が差し込まれている……のかな?
 「サマバケ96」はちょっと印象薄かったですけれど、ほかの三編では物語のキーとして取り上げられているような。


 特に「僕と桜と五つの春」が秀逸。
 癒しを求めて訪れていた桜の木と、その桜に似た空気を持つ少女。
 彼女に告白してみたものの拒否されただけでなくそれをネタに彼女を含むグループにパシリとして使われてしまう毎日。
 しかしそれでも彼女のことを嫌いになれず、パシらされてもそれとは心の違うところで好きという気持ちは残され、持ち続けられて膨らんでいったという。

 あー、もうねもうね。
 そのどうにもならない気持ち、消せない、無くならない想いっていうのがね!!!(><)
 叶うことを否定されても、在り続けるっていう!


 彼の想いはストーカーとは似ているようで違うよなぁ。
 叶わない想いが相手に向かうのではなく、ただただ自分のなかで眠り続ける、生き続けるだけなので。
 叶わない願いを抱くことは悪いことじゃないんだと。
 想いっていうものはゼロサムではないんだなぁ……。



 恋が成就することに目的がある物語ではないのです。
 恋の価値、恋そのものの美しさを描いた恋物語なのです。




 東北の女学校を舞台に、女の子の気持ちをつづった7つの掌編。
 作品のスタイルは豊島センセらしいのですが、今作は目線をオンナノコに絞ったことで独特の空気が漂っています。
 なんちうのかなー……。
 生々しくもあるし、純度の高い甘さでもあるし、傷つきやすさ壊れやすさでもあるし……。


 しかし今作って、興味や関心や好奇心で親しくなってみても、最後には望むことの無かった別れが描かれているのですよね。
 それは幼年期の終わりを示すのか、それとも少女時代の儚さを示すのか。
 どちらにしても失って気付く大切なモノを感じさせられるのです。


 「銀杏泥棒は金色」では、銀杏の枝を折った少女に興味を持ち親しくなって、やがては絵画のモデルになってもらってその気持ちを表現していくも、その気持ちが一方通行……っちうか、モデルの少女に向かっておらずただ自分と向き合っていただけだと指摘されてしまうのですよね。
 自己満足っちうか。

 加菜は私が描いたスケッチの、右の膝小僧を指して言った。
「あたしはここにホクロがある」
 そんな細かいこと、と反射的に逆らおうとしたら、次の一言でとどめをさされた。
「そんくらい執着してよ」

 んもー!
 豊島センセの言葉遣いはクリティカルすぎる!(≧△≦)

 自分では全力の想いをもって生きているつもりでも、じつはどこか手を抜いてしまっているという。
 それを他人から、それも自分が認めた存在から指摘される苦々しさ。
 イタタタタタタタ……。
 ハートをえぐられたわ……(TДT)。


 とりあえず資格でも取っておくか……という気持ちで教育実習にやってきた学生さんのお話もそんなカンジかなー。
 いいかげんな気持ちだから、生徒にもナメられるし自分の覚悟も定まらないっちう。
 目の前のことに向き合う、自分の気持ちに正直になる。
 簡単なことなのですけれど、それを行うには生意気な自尊心が邪魔して難しいという……。
 照れとかね。



 自分の気持ちをいいかげんに扱ったことで犯す、ひとつの間違い。
 その間違いが次の瞬間にどう作用するのか、永遠の別離なのか新しい一歩なのか。
 そうした最後の余韻に考えさせられます。




 結婚したというのに今回もまた自分はエドガーに相応しくはないのではないかとリディアは悩み、一方のエドガーはリディアに寄せる信頼という名の怠慢で彼女を不安にさせて。
 もー、このふたりって……。
 さして進展も見られない物語に付き合っていけるのは、もはや訓練された読者だけと言えましょう(´Д`)。


 すれ違いや思い違いでケンカをしても、肌を合わせて仲直り……って、どこのハーレクインロマンスですか、これは!(笑)
 物語は進まなくても、ふたりのそうした離れたり近づいたりする様をニヤニヤ楽しむシリーズになってまいりました。


 今回のお話、リディアの自信の無さをついて無実の罪をなすりつけられるという部分がありましたけれど、そーゆーお話って以前もありませんでしたっけ?
 リディアが花嫁修業をしている頃のお話で……。
 むぅ……。
 長期シリーズなので記憶も曖昧になってしまった(苦笑)。



 しかしそれでも物語の軸というものが全く無いワケでもないのですよね。
 今回はシルヴァンフォード公爵家という過去と向き合うエドガーに、青騎士伯爵の妖精界の領地へ向かうための足がかりを探すというものですか。
 特に後者はプリンスと対決するに際して大きな力となりそうですし、少しずつシリーズクライマックスに向かっている感があります。

 うん、まぁ、手がかり足がかりな段階なので、これでまだどうなるっていう明確な何かがあるワケでは無いのですけれども、ねー(^_^;)。

 そういう次第でエドガーが「現代に生きる青騎士伯爵」として力強くなっていくのに対して、リディアのほうは予言者の許嫁の立場をどうかわしていくのか道筋が見えてこないトコロがもどかしいったら。
 どちらを向いて成長していくのかわからないっちうか……。

 こればっかりはリディアの気の持ちようでもどうにもならなくて、なにかこう、ブレイクスルー的な存在が浮き上がってこないと難しいかなぁ。
 物語の根幹にも大きく関わってくるところですしねー。
 その部分がエドガーの成長とのセットになってくることも考えられますし、ここまでシリーズに付き合ってきた身としては、ここで手を切るワケにはいかないぜー……ってカンジ(笑)。


 でも、あれか。
 ふたりが授かった子どもがプリンスの生まれ変わり……とかいうオチになったら、ちょっとどうしよう(^_^;)。
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